寝ている時、よく見る夢がある。
だけど、よく見る夢に限って、やんなっちゃう夢ばかりなのである。
まず、1つめに、よく見る夢。
それは、空飛ぶ夢である。
この夢については、見られる人も多いと思う。
大空を羽ばたく。
なるほど、素敵である。
さぞかし気持ちよかろう。
「風に吹かれてどんどん上空へ!わぁ〜、まるで風にようだよ!あははは〜!」
まさに、あははは、である。
しかしだ、僕の場合はそうではない。
違うのである。
そんな気持ちいいものではないのだ。
僕の空を飛ぶ夢は、地面からちょうど50cmぐらいのところを飛ぶ夢なのだ。
しかも、飛び方。
羽があって飛んでいるわけではない。
平泳ぎである。
しかも、スピードが止まるぐらい遅い。
止まると落ちる。
したがって、落ちないように、とにかく必死である。
地上50cmぐらい空中を平泳ぎで、
「はぁはぁはぁ!進め進めぇーい!!!」
滑稽以外のなにものでもない。
想像して頂きたい。
地上50cmしか浮いていないのに、必死に平泳ぎをしている31歳。
「浮いてる!!!」
という感動より、
「必死すぎ!!!」
という感想の方が多いのではなかろうか。
そんな空飛ぶ夢をしばしばみるのである。
やんなっちゃうのである。
そして、もう1つ、よく見る夢。
「街中や学校で服をなくす夢」である。
あらゆるところで、僕は服をなくす。
もう学生ではないが、学生時代に戻ってまで服をなくす。
しかも厳密にいうなら、服を完全になくすわけではない。
残された着衣が1つだけある。
白のブリーフである。
今や、小学生かコントでしかみない、あれである。
僕に残された着衣は、白のブリーフのみである。
新宿の服屋の試着室で、白のブリーフ。
体育の授業中に更衣室で、白のブリーフ。
温泉の更衣室で残されたのは、白のブリーフ。
この焦りと屈辱たるや、筆舌しがたい。
夢よ、なぜいつも僕の服を奪うのだ。
そして、なぜいつも白のブリーフのみ残すのだ。
せめて、トランクスを。
せめて、バスタオルを。
ギブミー・トランクス。
ギブミー・トランクス。
そんな夢ばっかりだから、まったく、やんなっちゃうのである。
ちぇっ。