出勤中、昼食はオフィスで食べようと腹を括ったのである。
強い決意を胸に駅の改札を出て、コンビニへ向かったのである。
昼食を買うためである。
しかしだ。
僕はコンビニの食べ物は好きじゃない。
もっとも、味が好きじゃないというわけじゃない。
「濃い味バンザイ党」出身の僕としては、味は好きなぐらいである。
では、何が好きではないか。
あの必要以上のカロリーが好きではないのだ。
それ、おにぎりを手にとって裏返してみたまえ。
1個で200カロリーぐらいある。
驚愕のカロリー。
あんなに小さいのに、なぜ、あのような数字をたたき出せるのか。
常軌を逸していると言わざるを得ない。
なお、情報筋によると、あれは日持ちをさせるために、油を塗り塗りしているようだ。
おにぎり却下。
続きましては、お弁当である。
お弁当を手に取り、中身を確認。
添加物がいっぱい入っているであろう惣菜。
うむ。すごい。
あっぱれである。
次に、お弁当さんを、コロッとひっくり返してやる。
うむ。必要以上のカロリー。
これを食べたら、中年太り一直線だ。
いやんいやん。
お弁当さんを、表に戻してあげる。
そして、そっと、棚に返してあげる。
お弁当さん、さようなら。
あたりを見回す。
コンビニは添加物とハイカロリーなものであふれている。
中年太りを避けたい僕にとっては、買えるものがさっぱりないのである。
僕は気づいた。
「ははーん。さては、このコンビニ、僕をブタにさせる戦術やな」
天才である僕は気づくのである。
しかし、そうは問屋がおろさん。
こちとら、天才やで。
しかも、「ミナミの帝王」の萬田はんのモノマネが得意で通ってるポールやで!
きっちり耳揃えて、買わしてもらいまっせ!!!
あたりを見回す。細かいところまでである。
ギュッとフォーカスを絞る。
そこで、目に飛び込んできたサラダがあった。
「一日分の野菜が入っております」
そういう売り文句で陳列されているサラダ。
「ほー、ええやないかい」
しかも、かなりの量。
量も申し分ない。
カロリーを見ると、なんと約100キロカロリー。
「これだ!」
と僕はぺチンと膝を叩いた。
(なお、このペチンが僕の決済のお知らせである)
僕はサラダを右手に持ち、レジへ向かう。
しかしだ。
途中、ある疑問が生じた。
「はて、これだけで足りるか?」
足りない。
たぶん、足りないのである。
そこで、目に入ったカップヌードルを手に取ってレジへ。
よし!
レジでお会計をして、ホクホク顔でコンビニを出た。
我ながらいい買い物ができた。
なるほど、僕が天才といわれる、ゆえんである。
素晴らしい。
しかしだ、その天才が、5秒後に、足を止める。
ふと気付く。
カップヌードル。
添加物、エーンド、ハイカロリー!!!!!!!!
なんでやねーん!!
自分にツッコミを527回いれときました。
それだけ。
すんません。