僕の最近の着こなし術。
ジッパーが付いている服を着るときは、開けギミに服を着るのである。これが俺流の着こなし術。大変お洒落なのである。
しかし、この着こなし術。実は、トップスでは通用しない話なのである。
ボトムス。つまり、ズボンのチャックの話なのである。
厳密にいうと、開けギミに着るのではなく、開けガチになってしまうのである。意図的にではなく、偶発的に社会の窓は開かれる。それが社会の窓なのである。
社会の窓が開いていることに気づいた時の恥辱といったら筆舌し難い。
街中を歩いてる時に開放していたのなら、
「すみません。僕、社会の窓を開放してました。すみませんすみません!」
と出会う人々に謝りたくなる。
バイト中に開放しようもんなら、
「店長!!僕、社会の窓を開けてました!責任を取って辞表を提出します!申し訳ございませんでした!」
と店長に陳謝し、バイトを辞めたくなる。
昔から、ズボンのチャックが開きガチのオッチョコチョイであったのだが、最近はその傾向が顕著なのである。
老化なのだろうか。いやいや違う。セクシー路線を走っているのか。いやいや、変体路線か。意図的ではない。謎なのである。
神様が悪戯をしているのかと思ってしまうぐらいの開放率なのである。もしこれが野球であるならば、首位打者間違いなし。イチローすら平伏する打率なのである。
チャックが開いている時。中から見えるパンチーが憎たらしいったらありゃしない。
トイレからでた5分後。僕は気づくのである。まるでパンチーが話しかけてくる。
「やぁ、旦那。いっつも締め付けられる思い。今日は開放的ですな、旦那!」
「だまらっしゃい!!!」
僕はチャックを勢いよく閉める。
服を着替えたあと、5分後に気づく。
「旦那旦那!今日は窓が開いてるから、ここからの眺めは絶景ですぜ」
「だまらっしゃい!!!」
僕はチャックを勢いよく閉める。
「旦那ぁ〜。今日は僕を皆に見せたいのですかぁ?旦那も隅に置けないですなぁ〜」
「だまらっしゃい!!!」
僕はチャックを勢いよく閉める。
いやホント、トップスを着てると気づかれないけど、気をつけなくちゃね。