先日、ブログでテーマを募集した。
今日は、ゆかりさんから頂いたテーマ『行ったことのない店』について書いてみようと思う。
うさぽぅさんからも『自己分析』というテーマを頂いたが、便器上、こちら書かせてもらう。うさぽぅさん、悪しからずご了承下さい。
『行ったことのない店』について…。最初は、あまりの難解なテーマ過ぎて、
「すみません。行ったことないのでわかりません。もう捜さないで下さい。」
と書置きをして逃亡するつもりだった。
しかし、せっかく頂いたテーマ。うーん、うーんと悩んでみた。そうすると、あることを思い出した。そのことについて書いてみたいと思う。
あれは高校1年生の頃だっただろうか。僕は、ギター教室に通っていた。通うまでの経緯については、以前、日記で書いたことがあるで割愛させて頂く。
ちなみに、興味のある方は、以下をお読み下さい。
http://paul-turedure.jugem.jp/?eid=52 『ジョン・レノン』
閑話休題。
僕は、中3から高2まで、ギター教室に通っていた。高2の時、そこで出会った女性がいた。顔は濃く、ちょうどフィリピーナのようであった。年齢は聞いたことがなかったが、見た目から推測するに、24才から27才ぐらいの女性だったように思う。当時の僕からすると、大人の女性である。
そのフィリピーナからは本当に可愛がってもらった。ギター教室に友達がいなかった僕に、ことあるごとに話しかけてくれたし、ジュースを買ったりしてくれた。まぁ、本当に良くしてもらったのである。
しかし、ある日、フィリピーナが豹変した。
ギター教室が催しているライブの打ち上げの時だった。高校生だった僕は、打ち上げでお酒を飲むことなく、1歳上の男の先輩とジンジャエールを飲みながら音楽談義に花を咲かせていた。
しばらく経つと、遠くからフィリピーナがツカツカとやってくる。そして、僕の隣に座った。フィリピーナの喋り方、目つきから、明らかに酔っ払っていることがわかる。
最初は普通に話をしていたのだが、だんだん僕へのボディータッチが激しくなる。最初は、
「あれあれ?」
と思っていたのだが、時が経つにつれ、
「待ってくれー!!」
と思うぐらいあらゆるところにタッチしてきた。ある種の恐怖を感じた僕は、その席を立った。
その日は、無事に打ち上げも終わり解散をした。
打ち上げでは、ボディータッチ・フィリピーナであったものの、次の教室日にはいつもの優しいフィリピーナに戻っていた。あぁ、あれは夢だったのだ。幻だったのだ、と僕は自分に言い聞かせた。
ある日のことだった。電話が鳴った。フィリピーナである。
「今、ススキノで飲んでいるんだぁ。お姉さんがおごってあげるから、遊びにこなーい?」
お誘いである。打ち上げのことが脳裏に浮かんだ僕は、返答をちょっと待ってもらい、遊び人の友人に電話した。
「なるほど、それは由々しき問題である。よし、俺とともに突撃しよう。俺となら百人力だ」
遊び人らしい力強い返答である。フィリピーナに許可を取り、遊び人の友人とともにススキノに突撃した。
適当な場所で待ち合わせ、フィリピーナと再会である。フィリピーナの友人も2人いる。ケバケバしい女性である。
彼女らにいざなわれ、地下にある怪しげな店に入った。
店に入ってから、遊び人の友人と顔をあわせた。さすがの遊び人も神妙な面持ちである。入ったことにないような店に、緊張しているのである。
席についてしばらくすると、マスターと思しき男性がやってきた。
「あらぁー、いらっしゃい!今日は若い子を連れてきてるのね。うふーん☆」
そのマスター、どこか変なのである。喋り方もちょっと変だし、動きもクネクネ。格好なんかは、やったらピチピチした服なのである。
そう、そのマスターはゲイさんなのである。そして、お店はすばりゲイバーなのである。フィリピーナはゲイではなく立派な女性なのだが、17歳のカワイイ僕をゲイバーに連れてきたのだ。
そのマスター、もう必要以上にテンションが高い。リアクションがいちいちハイなのである。
「あら、17才なの!?キャー!!!!わっかーい!!マスターにも17才触らせて!!!キャー!!触っちゃった!!キャー!!」
最初は、緊張していたのだが、いちいちそのテンション。そして、ボディータッチである。本当に疲れてくる。マスターは喋る。
「ちょっとだけお酒飲んでみる!?ちょっとだけ、ちょっとだけ、ちょっとだけ!!!キャー!!!」
「好きな女子いるの!?キャー!!!なんて名前、なんて名前、なんて名前!?キャー!!!」
しばらくお酒が入ると、フィリピーナには、必要以上のボディータッチされる。マスターにはハイテンション・ボディータッチである。
フィリピーナにボディータッチ → マスターにハイテンション・ボディータッチ → マスターのハイテンション → ボディータッチ→ ハイテンション→ ボディータッチ→ ボディータッチ
左からボディータッチ、右からもボディータッチである。どちらに逃げてもボディータッチ。まさに、ボディータッチ地獄である。
そんなことが1時間も続くとゲンナリである。生気を吸い取られた廃人のようになった。
遊び人の方を見てみると、同様のことをされていた。彼もすっかり廃人である。
疲れきった僕らは、思い切って帰ることを伝え、タクシー代をもらい家に帰った。
帰りのタクシーの中では、2人ともずっと無言であった。廃人2人組である。
こんな、高校生になるまで『行ったことにない店』についての話である。ちょっと強引かしら、ゆかりさん。