ポールの徒然なるままに


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落馬
 ヤボ用で東京に来て、はや2週間。
 たった2週間だけど、色々あるのである。
 4日連続で野菜炒めを作ったり、酔っ払いに絡まれたり、酔っ払いになって絡んだり、マイミクのたっくと電話して泣きそうになったり、ロンリー誕生日を迎えたり。
 とにかく、色々あるのである。

 色々あった中で、一つのお話を書こう。
 僕が東京で働いていた数年前のこと、マイミクのフーテンの馬(以下:ウマ)と焼肉を食べに行ったことがある。
 普段の僕らは、仕事終わりに『新橋・焼き鳥派』であった。しかし、ある日、ウマが珍しく別の提案をしてきたのだ。
 「ポールよ、次回の世界最低会議(飲み会がそういう名称だった)の場所は決まっているのか?特に決めていないのであるなら、俺に提案があるのだ」
 ウマは続ける。
 「先日、同僚と渋谷で大変珍しいホルモンを食ったのだ。しかも、それは大変な美味であるのだ」
 僕は、
 「ほぅ。珍しいとはどういうことなのだ?15文字以内で説明せよ」
 と返した。
 「平らじゃなくて、丸なのだ」
 きちっと15文字以内の12文字で説明をしてきたのである。

 わからない方もいらっしゃるだろう。解説しよう。
 僕が育った札幌では、ホルモンが平べったいのである。
 つまり、腸を真ん中から切れ目を入れ、平べったい状態になっているのだ。
 しかし、そのお店のホルモンは、腸そのものをぶつ切りにした状態。それはちょうど、金太郎飴のような形状になっている。すなわち、平べったい形状ではなく、丸の形状になっているのだ。
 (ちなみに、後日知ったのだが、それは『丸腸』と言われるものであるらしい。関西以西に関しては、ホルモンとは『丸腸』が主流であるらしい)
 そんな丸いホルモンを、ウマと食べに行ったのである。

 待ち合わせは、渋谷ハチ公前。銅像の前で待っている彼は、ご馳走を目の前に大興奮である。
 「はぁはぁはぁ…」
 ウマだけに、競馬の出走前の馬のごとくである。

 僕との挨拶が出走の合図。
 「ガシャン!!」
 ウマの出走である。歩くスピードが、まぁ〜、早い!
 僕は、後ろから競馬ナレーションを始めるのである。
 「さぁ〜、ホルモンという賞金を目指し、ホルモン記念の出走です!」
 「一番人気、ウマが渋谷スクランブル交差点を渡ったぁ〜!快調な出足ッ!」

 「おおっと、ギャルです!ギャルが、ウマを妨害しております!」
 「ウマがギャルをスッと大外から抜くッ!!」

 「次はマツキヨ店員です!メガホンでわめいております!!」
 「一瞥しただけで、華麗に受け流したぁ〜。素晴らしい技術ですねぇ〜」

 「さぁ〜、最終コーナーの階段を上った!!叩き合い!!」
 「スピードが増す!2段飛ばし、3段飛ばし!!」
 「叩き合い!ゴール目前!ラストスパートです!」
 「ああっとー!!!!!!!」
 「ウマ、落馬です、落馬!!!!!」

 店の前には、 
 『お休み』
 
 
 まさに、落馬したのである。
 ケンモホロロ。
 あの興奮はなんだったのだろう。
 落馬という、最悪の結末を迎えたのである。
 
 そんな落馬をしたウマを宥めつつ、後日また来ようと桃園の誓いをたてたのである。

 事実、数週間後に彼と丸ホルモンを食べに行った。
 確かに、美味しい!
 北海道のホルモンとは違い、食感が違う。そして、ジューシーなのである。
 僕は東京にいる頃、何度も足を運んだ。いわゆる、リピーターになったのである。
 
 
 それからしばらくして、辞表を叩きつけ札幌に戻ったのである。
 そのホルモンをとても懐かしく思った。
 「あぁ、丸ホルモンは元気か…」
 「丸ホルモンよ、僕は君に会いたい…」
 平べったいホルモンを食べては、
 「君じゃないんだ…」
 そんな鬱々とした日々を送っていた。

 そして、この上京である。
 先日、女性とデートする機会があったのだ。俄然、僕は色めきだった。しかも、デートの相手は、背の小さい可愛らしい女性である。
 もちろん、僕がチョイスしたのは、例の焼き肉屋である。 
 恋焦がれていた丸ホルモンとの再会。スキップスキップランランランなのである。

 店に着く。
 席に着き、しばらく待つと、丸ホルモン到着。
 「でましたー!!」
 久々の再会に目を潤ませながら、僕はホルモンを焼くのである。

 ジュージュー。
 丸ホルモンが言うのである。
 
 
 まず僕が一口である。ぱくり。
 「うめぇー!!!」
 その感動を伝えるべく、隣に座っている彼女の方を見る。
 そんな僕を見て、彼女は目を輝かせているのである。
 「食べてみたまえ」

 僕は一つのホルモンを大切にソッと、まるで生まれたてのわが子のように、女性の皿に置いたのである。
 輝いた目の彼女は、ゆっくりとホルモンを口に運ぶ…。

 ぱくり。


 その時である!!!


 「ペッーーーー!!!」

 
 肉が載せられていた銀の皿に、丸ホルモンを吐き出したのである!!
 
 そして、 首から上をギュルンをこっちに向け、
 「くせぇ!!!!」

 唖然とする僕。
 苦しむ彼女。
 そして、横たわる、軽く噛み砕かれたホルモン。

 ウマの落馬に笑った僕が、おもいっきり落馬をしたのである。
 仕方ないよと、彼女に励まされつつ、すばやく店を出たのである。
 
 そんな落馬をしたって話。
 あぁ〜、長かった。



 追記:彼女は牛ホルモンしか食べたことがなく、豚ホルモンは食べたことがないようで、独特の豚の臭みに耐えられなかったようです。
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