ポールの徒然なるままに


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夏の思い出
バイト帰りである。
近所の公園で、少年野球の練習をやっていた。
「おっ、やっておるな」
僕は、スーパーサイクロン号(自転車)をとめて、見物するのである。
懐かしく、ちょうど美しい夕日を見ているかのような郷愁に襲われる。

僕が小学校の時分、野球少年だったのである。小学校の頃に住んでいた京都の『洛北ヒーロー』とチームに属していた。
洛北ヒーローは京都府の大会で、何度も優勝している、いわゆる強豪チームであった。

なぜ、強豪チームであったか考えてみると、それはひとえに監督の力によるものであったのだろう。
その監督は、60歳前。そういう年齢であるにも関わらず、背筋がピンとして、スリムな人であった。
そして、やはり特筆すべきは、いわゆる鬼監督であったのだ。

ビンタは当たり前。ボールで顔面を殴られる時もあったし、「よし」というまでグランドを走り続けろ、と命ぜられたことも多々あった。

ちなみに、監督の名誉のために言っておくと、それらは教育・指導という意味での懲戒権の範囲内であったし、規律を守らせるためには必要であったと思う。
練習が終われば、冗談も言うし、笑顔も見せる。とてもいい監督であったのだ。

ただ!!!
練習中は、鬼…。
とても恐ろしい鬼監督であったのだ。


暑い晴れた日の練習前には、熱中対策のため、砂ぼこりを防ぐため、グラウンドに備え付けられている巨大なホースで監督が水を撒くのが習慣であった。
そのホースの巨大さ、威力たるや、尋常ではなかった。
少年であった、僕の腕がすっぽり入るぐらい穴。
ホームベースあたりから、外野までは楽々と届くぐらいの水圧。
蛇口とホースの接続部分は、金具で接続しなくてはならないぐらいの暴れん坊ホースであった。

ある日の夏のことである。
京都は連日の猛暑である。
ご多分に漏れず、監督の水撒きである。

暴れん坊ホースをあやつる鬼監督。
暴れるホース。押さえつける鬼。
『激突 鬼 対 暴れん坊』である。
いつもは互角の闘いを繰り広げる鬼と暴れん坊なのだが(監督のこと、こんなに鬼って言っていいのかな 笑)、その日は暴れん坊が降伏した。
「もういやー!!!」
ってな感じで、蛇口部分の金具が外れてしまったのだ。
金具が壊れてしまった以上、水を撒くわけにはいかない。
しかし、少年たちを少なくとも熱中症にするわけにいかない。
絶対的な権力者である鬼監督はそうおもったのであろう。

「おい、ポール!ちょっとこいや!」
鬼監督が僕のことを呼ぶのだ。

「はい、大王様!!!」
毎秒8メートルの速度で僕は向かう(大王様とはあくまで心の声。実際は「監督!」である)。

「お呼びでしょうか!大王様!」
僕は大王様の前で直立不動の体勢になり、下命を待つ。

「水撒きをせぇへんわけにはいかん。接続部分を掴んどけ」
僕は従順に、その命令に従った。

しかし、だ。
上記の通り、恐るべき暴れん坊ホース。鬼と互角に渡り合うホースなのである。
小6の僕が抑えきれるはずもない。

10秒経つ。
「いける!」
20秒経つ。
「おうおうおう!」
30秒経つ。
「なかなかどうして!」
40秒経つ。
「ふんぬー!」
50秒経つ。
「うぎぎぎ!」
60秒経つ。
「あかーん!」

葯1分後である。
「アブ、アブ、アブッ!!!」

水がぶっかかったのである。


やはり、か弱い小6のポール少年は暴れん坊を抑えきれなかったのである。
びしょ濡れのポール少年。

「こりゃ、帰るしかないな」
「練習はしたいのだが、一時帰宅はやむ得まい」

そうやって、きつい練習から抜け出そうと行っていた矢先、

「ユニフォーム脱いで練習するしかあらへんな」

耳を疑った。
「へ?」
僕は言う。

「びしょ濡れではあかん。脱いでやるしかないってことや」

大王様の言うことは絶対である。
いや、実行するしかないのである。
そして、実行した。

想像して頂きたい。



白いブリーフだけを履く小学生の僕。

上半身には、グローブを装着して守備練習をしている小学生の僕。

叫ぶ言葉は、
「へいへい!バッチこい!」


ある夏の思い出である。
| ポール | ネタ日記 | 22:57 | comments(1) | trackbacks(0) | -
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2008/4/27に洛北ヒーローさんと試合予定の西牧野アタックスの者です。敵情偵察のためネットで検索中にこのサイトに入りました。
私もこの鬼監督のようなコーチになりたいものです。
| 瀧 | 2008/04/09 11:15 PM |










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